うたの日とは
- うたの日って何ですか?
- うたに感謝する日です
- そばの日やゴーヤの日がある様にうたの日もあるのです。
- うたの日はいつ?
- 六月二十四日
- 沖縄では六月二十三日を戦争が終わった日(慰霊の日)として迎えます。 俺は戦争がいつ始まっていつ終わったかをとやかく言う気はないけれど、かつて歌の島沖縄が歌い踊ることさえ禁止された時代があった事。 だけどやっぱり島人は我慢できず山の中や防空壕の中で小さな声だけど、歌い踊り続けていたという事を子供たちに伝え易くする為に、あえて慰霊の日の翌日を歌が開放された日“うたの日”として位置付けました。
- うたの日と、うたの日コンサートの違いは?
- う〜ん 日にちが違います
- 例えれば、うたの日は結婚式、うたの日コンサートは結婚披露宴みたいな感じでしょうか。 だけど本当の意味で“うた”を祝い“うた”に感謝を捧げるのなら、一時間でも一分でもいいから世界中の“うた”を止めて休ませてあげた方が良いと思うけど、でもやっぱり俺は我慢できずに歌い出すと思うから、毎日が『うたの日』だと思って暮らして行きたいと思います。
ちなみにうたの日コンサートは、毎年六月二十四日以降の土曜日か日曜日です。
平日だと子供達も来れないし、沖縄県外から参加してくれるみんなもいてくれるのでそうしました。
- うたの日は反戦運動ですか?
- 違います
- そもそも歌と戦争を比較すること自体おかしな事だと思うし無理やり関係付けるとしたら、戦争が川で歌は海みたいな感じかな。いや歌が海なら戦争は公園の噴水くらいなものだろう。自然に交わる事はないし誰かが噴水の水を海に運んだところでどうにもならない。だから遠慮しないで沖縄の米兵達もどんどんうたの日に参加してください。
- うたの日と宗教の関係は?
- ありません
- まず“うた”を神様だとは思っていません。“うた”は“うた”です。“うた”だから人種を越え国籍を越え宗教を越えて全ての人々へ寄り添っていられると思いませんか? ちなみに俺は沖縄の昔ながらの祖先崇拝です。実家に帰る度、仏壇に線香を立て正座し手を合わせ、そして神様にではなく亡くなったじーさんやばーさんに声をかけます。 これも立派な宗教だと思いますが、対象がご先祖様なので、俺はゴスペルでもなんでも遠慮なく歌えますよ。
「うたの日」はうたをお祝いする日です。
その気持ちを分かち合うために「うたの日コンサート」 を開催しています。
宗教や政治的な関わり合いは無く例えば家族の 「米寿祝い」 をどう盛り上げるか?
くらいのスタンスでやらせてもらっています。
沖縄は「うたの島」 と呼ばれるくらい 「うた」 が暮らしに根付いています。
言い換えれば沖縄県民は 「うた」 に甘えっぱなし、お世話になりっぱなしです。 なので、率先して沖縄から 「うた」 のお祝いをしようぜ! と仲間に呼び掛けています。
「うたの日」を沖縄本島で開催する理由としてもう一つの柱は戦争でした。
かつて地上戦が行われ山や防空壕に逃げ込んだ人々はうたう事も赤ちゃんが泣く事も 許されなかったと聞きました。 だからこそ終戦の時には痛みと悲しみを抱えながらもうたえる喜び踊れる嬉しさを感じられたはずです。 それが今の沖縄の元気に繋がっていると思っています。
ですから僕達は役割として悲しみではなく 「喜びを忘れないように」 と伝えてきたつもりです。
しかしコロナパンデミックであっさりと塗り替えられてしまいました。
新たな「うたの日」の意義を考え、教えて頂かなくてはならないと考えています。
現在わかっている事は、大きなイベントを目指す必要は無いという事、 収益を上げる事が目的では無い事、家族みんなで集えるスペースを用意する事、 ジワジワと機械化が進む音楽業界において「生うた」 と 「生演奏」 がどれだけ素晴らしいのかを伝える事、そして何より皆さんに「うた」をもっともっと好きになって欲しいという事。
もしかして最後の一つだけで良いのかも?ですね (笑)
2023年4月 比嘉栄昇